【あらすじ・感想】西加奈子『サラバ!』 〜あなたの「信じるもの」とは?〜【ネタバレなし】

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こんにちは!

今回紹介するのは第152回直木賞受賞作、西加奈子さんの『サラバ!』です!

超有名作なので読んだことある方も多いと思いますが、文庫版は上中下の3巻構成なので読むのを躊躇っている方もいるのではないでしょうか。

そこで今回は読んだことない方、読むか迷っている方のために、あらすじとネタバレなしの感想をお伝えします!

最後まで読むと、きっと『サラバ!』を読みたくなるはずです!

読んだことある方も感想を共有することで新たな発見があると嬉しいです!

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こんな人におすすめ

  • 自伝的な小説が好きな人
  • 周りの目を気にしてしまうという悩みを持っている人
  • 気分が落ち込んでいて、前向きな気持ちになりたい人
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あらすじ

イランで生を受けた主人公・圷歩。

優しい(優しすぎる)父とおしゃれ好きで利己心の強い母、特異な性格で問題児と言われる姉と構成される家族は父の転勤に伴い、エジプトでの生活を経験する。

そこで歩はヤコブという少年と出会い、奇跡のような時間を過ごす。

日本に帰ると、歩は持ち前の周りに合わせる(周りの目を気にして無難な方を選ぶ)能力を発揮し、順調な人生を歩む。

一方、問題児の姉はその性格ゆえに周りと折り合いが合わず、時折孤立しながら独特の人生を歩んでいく。

2人の人生が再び交わる時、彼らは何を思い、どう行動するのか。

そして歩が気づく人生において大切にすべきものとは何か。

宗教・ジェンダー・人種・政治問題、複雑で壮大なテーマのもとに描かれる1人の男の物語。

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学び・感想

昨今「神」という言葉の意味が多様化しています。

「キリスト教の神」・「八百万の神」など信仰の対象、人知を超えた存在といった意味から、「神ってる」など偉業を成し遂げた人(時にはそこまでの偉業ではなくても)にも使われる言葉になっています。

これは同時に現代の価値観の多様化、信じるものが一つではなくなっていることを示しています。

日本型雇用が崩壊しつつあり、良い会社に勤めることだけが正義ではなくなった時代、『サラバ!』はそんな現代においてそれぞれの人が「信じるもの」は何かをテーマにした小説です。

物語は主人公・歩の幼少期から始まり、青春時代、青年時代へと続いていきます。

歩は周りの目を気にしてそれに合わせ、うまく馴染むのが得意な性格です。

私も歩に共感する部分が多かったです(女の子にモテる部分を除いて)。

しかし、多様性という言葉が叫ばれる現代において、正しいことは何かがわからなくなるといった意味で、この性格は悩みの種になり得ます。

そんな現代特有の悩みに対して西加奈子さんが解決策として提示している(と思われる)のが、「信じるもの」なのです。

本作では、周りの目を気にする歩も、マイノリティでありたいと思っている性格の姉・貴子も時に悩みを抱えながら、自分が「信じるもの」を見つけていきます。

正反対とも言える性格の2人がそれを求めることで、どんな人にも救いがあるのだとわかります。

あなたの「信じるもの」はなんですか?

まとめ

今回は『サラバ!』を紹介しました!

読み応えがあり、読後には前向きな気持ちで世界を見ることができる作品です!

ぜひ、書店で図書館で手に取ってみてください!

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